大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)663 判決

主 文

原判決及び第一審判決中被告人に関する部分を破棄する。

被告人を懲役六月に処する。

押収にかかる機帆船第三旭丸一艘、商船用小型磁器羅針儀一個、同羅針

儀要具補用品筐一個、同羅盆格納筐一個、晴雨計一個、錨四本、チェーンブロツク

一個、ハツチカバー一枚、帆布一枚、マニラロープ約三丸、手押ポンプ一台、ゴム

ホース一本、茣蓙七枚及び現金二十一万八千円を没収し、金一万四千六百五十円を

追徴する。

昭和二一年勅令第三一一号違反の事実について被告人を免訴する。

理 由

職権で調査するに、被告人に対する公訴事実中昭和二一年勅令第三一一号違反の

犯罪(第一審判決判示第一及び第四の事実)については、昭和二七年政令第一一七

号一条、二三号により大赦があつたので、刑訴四一一条五号、四一三条但書、四一

四条、四〇四条、三三七条三号により原判決及び第一審判決中被告人に関する部分

を破棄し、被告人に対し右公訴事実について免訴の言渡をする。

弁護人畠山仁市郎の上告趣意一、(5)は、刑訴四〇五条に当らない(爾余の論

旨は、右免訴にかかる事実に関するものであるからこれに対して判断しない)。

よつて、第一審判決が証拠により確定した事実(同判決第三の事実)に法律を適

用すると、被告人の所為中通商産業大臣の許可を受けないで貨物を輸入幇助した点

は外国為替及び外国貿易管理法七〇条二二号、五二条、輸入貿易及び対外支払管理

令一〇条一項二号、昭和二五年三月一三日通商産業省告示第三二号、刑法六二条一

項に、税関の免許を受けないで貨物を輸入幇助した点は関税法七六条一項前段、刑

法六二条一項に各該当するところ、右は一個の行為にして数個の罪名に触れる場合

であるから刑法五四条一項前段、一〇条により重い関税法違反の罪の刑に従い、所

- 1 -

定刑中懲役刑を選択し、なお従犯であるから刑法六三条、六八条三号を適用して法

定の減軽をした刑期範囲内で被告人を懲役六月に処し、関税法八三条一項、三項に

則り主文第三項掲記の物件及び金員を没収、追徴すべきものとする。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 平出禾出席

昭和二七年一二月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!